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富士山登山体験 その2(完)~ご来光、FL123、ST660.2hPa、TMP11℃に到達、そして帰還 [ハイキング]

目覚めてお財布を持ってお手洗いへ、200円を投入して用を足して寝床に戻り4分後に起床の合図…

起床合図後30分で出発となりますが、寝床ではベルトを緩めてお腹周りを楽にする程度なので数分も有れば出発出来ますが、空気が薄いので動きそのものはゆっくりになってしまいます。

幸い高山病には掛かっていないようで、体調面では疲れは残っているものの頭痛や吐き気、各部の痛み等は有りません。

出発前にガイドさんからこの先の登山路状況についての説明、急峻な地形に岩場が出て来て下山道が開通していないのでこのステージについては同じ道を戻らねばならないと言う物。

ん~こう言うのは前日に言わないといけないんじゃないの?って思うのですが、ここで女性3名がリタイヤ宣言、前日に言ってあげていたら朝までゆっくり眠る事が出来たでしょうに…って思ったのは私だけでしょうか…

夜も明けきらない頃に山小屋を出発、ヘッドライトを点け真っ暗な登山道を上がっていきます。

気温は10℃と寒く、五合目では長袖シャツだけでしたが途中からウインドブレーカーを着用、そして今は間にフリースを着込んでネックウォーマーを着用している状態です。

続いて本八合目、このあたりに来ると元祖八合目とか新八合目とかどれがホントの八合目?と言いたくなるような表記に出会います。

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「トモエ館」さんの標高は3,400m、宿泊した山小屋から200m登って来ました。

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そして「御来光館」さんの3,450mが最後の焼き印、ここから先は山開き翌日の7/2現在営業されていないので残念ながらパーフェクトと言う訳には行きません。

「あと2合ぢゃん、楽勝でしょ!」なんてのは、某漫画の台詞「ティラミスにあんこ載せてはちみつ掛けるくらい」"甘い"です、ここからがマヂでキツイです。

前日までの疲労、夜故の視界の悪さ、空気が薄い事で動きが鈍く頭もイマイチ回らない、しかも山って先細りしているので上に行けば行くほど急峻で且つ狭隘で岩場も出現し段差も大きくなります。

ガイドさんが「ポールは1つ畳んでください。」と仰っていましたがその通りで、空いた片手で岩や打ち込んである鎖を掴んで上へと登っていきます。

ここから山頂までは写真が有りません、暗く撮影に時間を要す為に撮影自体が難しいのと自身も険しくなる地形と要する体力や筋力、疲労と空気の薄さで頭の回転が落ち撮影どころでは無くなってしまいました。

それと当初の目標である八合目には到達出来たので、この先は玉砕覚悟で頂上到達にステータスを全振りして目指す事としました。

浅間大社の鳥居が目印の九合目、エンジン積み替えの時にも言っていた「百里を行く者は九十を半ばとす。」を思い出しました、あと少しでは無くここで半分と思えって事ですね。

登山渋滞が発生し御来光はてっぺんでは拝めませんでしたが、登山途中でキレイな御来光を拝む事が出来ました。

段々と東の空が明るくなって来て…

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水平線からとはいきませんでしたが、雲間から丸いお日様が昇って行きました。

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あと200mと言う所で本隊の最後尾になって、ついには遅れてしまいました。が、これは仕方の無い所、ムリをして付いて行き、帰りのスタミナまで消費出来ないからです。

そして念願の山頂、FL123(フライトレベル12,300ft)、ST(現地気圧)660.2hPa、TMP(気温)11℃に到達です。

一般に言う1気圧とは1,013hPaですから換算すると0.65気圧しか有りません、仮に車のブースト計を持って行っていたとすれば-0.3と-0.4の間あたりを指す事になりますね。

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率先してシャッター係をされていた女性にお願いし、混雑する石碑と一緒に撮影してもらう事が出来ました。

どこかのガイドさんなのかな?とても快く引き受けてくれたのがとても印象的でした。

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十二分に山頂を満喫してガイドさんから下山の指示、本来は下山道と言う物が有るのですが、山開きしたてでなのか現在は開通しておらず途中まで今上って来た急峻で且つ狭隘な登山道を下らねばなりません。

登山時の事故の大半は下山時に発生するそうですので、気を引き締めて転ばないように金剛杖を付きながら降りていきます。

下山途中に足や膝を痛められたのか足を殆ど使わず手だけで下山されている方を散見しました、頂上を目の前に断念すると言う判断の難しさを感じました。

富士山の場合、本八合目の先あたりから岩場が出現し最後の400mが最も難易度MAXでしかも空気は地上の65%しか有りません、前日からの疲れやも加味すると正に最後の最後で出会う"ボスキャラ"と言った感じです。

本八合目まで降りて来て「富士山ホテル」さんの前で朝ごはん、昨夜山小屋で手渡された中に入っていたお水とクロワッサンを頂きます。

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この本八合目からは下山道へと流入、下りは足への負担がハンパ無いので少しでも減らそうとジグザクに降りていきますが、途中でガイドさんから「ここからは一本道なので各々のペースで降りて行ってください、私が最後尾を務めますが私(=帰りのバスに間に合わなくなるライン)が迫って来たらヤバイと思ってください。」との事。

下山分のスタミナは(登りペースを意図的に抑えて山頂での動きを減らし)残しておいたつもりなので順調に下山、重い登山靴も硬い靴底のお蔭でしっかりと地面を捉え、足をしっかりと守ってくれて六合目まで順調に下山、ここで最後の1つになった行動食を頂き水分補給もします。

5分休憩して再び出発、相変わらず続く下り坂で足に負担が掛かり続けます、そして一番最初に下って来た道を今度は上り坂として歩かねばなりません。

ところが上りだすと確かに心臓への負担は大きいのですが、本八合目と比べると空気も濃いですし足への負担も下りと比べれば全然軽いのでペースはゆっくりになりますが絶望的と言った感じでは有りませんでした。

そしてそのまま順調…と、そうは問屋が降ろしません。

突然の叩きつけるかのような豪雨、通り雨です。

慌てて合羽の上着を着てリュックにカバーをします、下は着用に時間が掛かるのとゲイターを付けていたので濡れても(更衣室で着替える)ズボンとパンツだけと割り切って気持ち早歩きでゴールである五合目を目指します。

そして土砂降りの中、無事に五合目へ到着。

時刻は9:27頃、下り出したのが7:00で標準時間120分でしたので通常より22.5%多く掛かってしまいました、休憩は30分毎に5~6分程度と言った感じでした。

更衣室で普段着に着替え、下山名簿にサインをして後はお土産を購入し、帰りのバスに乗車しました。

出発時刻になりバスが出発する前に「関西組は全員無事に乗車出来ています。」の、アナウンスに一安心です。

バスが出発して間もなくするとスルッと眠りに落ちました、目覚めると1時間弱寝ていたようです。

帰路途中に温泉施設へ立ち寄ってもらえるので2日分の汗を流します、痛みを感じている部分を揉んだりしました。

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昼食ですが施設に焼き肉店が併設されていたものの、焼肉はちょっと重すぎるよなぁ~と、あまり食べたくなかったのも有り向かいに有るコンビニエンスストアへと向かい、塩パンとこのお店限定の河口湖の贅沢あんパンホイップを購入、バスの車内でとても美味しく頂けました。

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温泉に入浴しお腹も満たして前日寝不足となれば…はい、速攻で眠りに落ちました。^^;

目覚めると掛川あたりを走行中、次の休憩ポイントは浜松サービスエリアなのでお気に入りのミニストップのソフトクリーム、毎回違うフレーバーを提供してくれるので「今回は何かな?」と楽しみになります。

1ヶ月前は宮崎マンゴーでしたが、今回は静岡クラウンメロンと正にタイムリーなフレーバー、こちらも美味しく頂きました。

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五合目到着時点で右膝に違和感程度にしか思わなかったのですが、帰りのバスでピークを迎え、休憩地点で歩行そのものは出来ますがマトモに歩けなくなりました。

が、梅田に到着する頃には痛みが少しずつ引いて朝起きると普通に歩け階段の下りで痛みが走る程度にまで回復、夕方にはその階段の下りも何とも感じなくなっていました。

やはり登山翌日は1日空けておいた方が良いみたいです。

自宅に帰還して「ホントに富士山の頂上まで登れたんだぁ~まるで昨日と今朝までの事がウソのよう…」と感じました。

そして蛇口を捻れば水が出てスイッチを入れると明かりが灯りクーラーを入れると涼しくなる、ガス栓を捻ればお湯も沸くと今まで当たり前過ぎた事を、とても有難い事に感じてしまいました。
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