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長距離ツーリング後の修理 その1~カウルステー修正・リヤブレーキキャリパー漏れ原因調査 [バイク]

春の全国ミーティング参加で約1,000kmを走行して来た訳ですが、10年ぶりの立ちゴケを喫したりあちこちフルードまみれになったりで満身創痍…

何事も無ければ電装システムの改良をするつもりでしたがそうもいかず、こちらが優先事項で次のツーリングまでに少しずつ直していきたいと思います。

帰還直後にハンドル周りはあちこちフルードが飛び散り腐食してしまっていたので、手遅れなのは分かっていますがバケツで水を何回か掛けて隙間に残っているかもしれないフルードを除去しておきましたが、効果は殆ど無かったみたいです。

今回は直せる範囲の物をやっていきます、先ずは使い物にならなくなった海外仕様のエアロスクリーンを取り外してフルードで腐食したメーターナセルと左側インナーパネルやらを外して結局アッパーカウルも腐食確認を兼ねて外す事にしました。

アッパーカウルやサイドパネルの裏側を確認した所、幸い内部まではフルードが侵入していないようでホッとしました。

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ヘルメットホルダーも右より新しい筈の左側がフルードで侵されツヤも無くくすんだ色になっていました、こちらは右側。

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そしてくすんで白っぽくなってしまった左側。

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ヘルメットホルダーも一旦バラして隠れている部分にフルードの滞留や腐食が無いかを確認、問題ないようなので次のカウルステーがミラー取付部から内側へ曲がっているのを修正します。

先ずはトーチで炙ってステーを柔らかくしていきます、炙らずそのままだとビクともしなかったので…^^;

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プライバーでこじって修正、これでカウルの変形は修正出来ました。

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お次はリヤブレーキキャリパーからのフルード漏れ、これは原因を突き止めるのに少し苦労しました。

上から目線で「キャリパーを交換してください。」とご指令をされた方がいらっしゃいましたが、そんなバ〇でも思いつくような事あなた様に言わるまでもございません。って感じですが、私的にはそんなレベルではなく原因を明らかにする事が重要です。

そうしないと再発の危険性も有りますし、物事として次に進めないと考えています。

でもまぁ、こう言う痛い目?に遭わないとスキルアップは望めません、原因究明に苦労すればするほどスキルのアップ率も上がりますし分析するうちに過去の症例として知識が蓄えられていきます、原因は何だかわからないけれどとりあえず交換すれば…なんて調子ではスキルは一切上がりませんから。

まぁ、何と言うか…結論を先に申しますと「自爆」だったんですが…^^;

最初は原因を探るべく、裏側を見たり…

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雌ネジ側に損傷が無いかを確認したり…

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クラッシュワッシャへの座りが悪いかもしれないと…

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オイルストーンで面出しして…

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座り面をキレイにしたりしました。

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そして新旧のボルトを並べた時、異変に気付きました。

左が旅先で取り付けたスチール製のバンジョーボルト、右がアコモが付けていたアルミ製のバンジョーボルトです。

何が違うのかと言えばボルト長はほぼ同じで問題有りませんが、切ってあるネジ部の長さです。

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何も挟まない状態でスチール製のバンジョーボルトを底付きするまで締め、長さを測定すると12.32mmです。

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対してアルミ製のバンジョーボルトを底付きするまで締め、長さを測定すると10.02mmです。(画像では測定部位がズレていますが撮影の為当てがっているだけです。)

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フィッティングが10.8mmで、銅ワッシャーが約1mm(この個体は0.96mm)。

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ワッシャーが1mmとすると1mm+10.8mm+1mm=12.8mm、スチール製の隙間は12.32mmですからギリギリまで締めても0.48mmの余裕しか有りません、先のワッシャーが潰れて0.76mm以下になれば面圧は失われ圧送されたブレーキフルードはいとも簡単に漏れ出てしまいます。

それじゃ犯人はこのバンジョーボルトかと言えばそうでは有りません、だってこのバンジョーボルトに交換する前から漏れていたのですから。

原因はバンジョーボルトでもクラッシュワッシャーでもキャリパーの雌ネジでも有りません、それじゃ何で漏れるのか?となればキャリパー取付の仕方に問題が有ると考えました。

このバイクのノーマルは対向2ポッドなのですが、より強力なストッピングパワーを欲し別車種のフロントに採用されている異径4ポッド対向キャリパーに交換していました。

更にバイク君のローターはベンチレーテッドタイプで7.5mmと別車種のものより2.5mmぶ厚い為、キャリパーボディーを左右1.25mmずつ削り落としていたのですが、それでもクリアランスは左右1.285mmとなっていました。(でもノーマルキャリパーでも同じクリアランスなので、これが特に狭いと言う訳では無いようです。)

しかも別車種だけにそのままでは使えずキャリパーとローターのセンターがズレているので1.6mmのワッシャーを間に入れて補正していたのですが、前回何らかの事情で取り外した際に下側に1.6mmではなく誤って0.8mmのワッシャーを組んでしまいキャリパー自体が斜めに0.8mm外側に寄る形となってしまいました。

これによりセンターが一致しなくなり元々クリアランスの狭かったローターとキャリパーボディーが計算上奥側0.485mmしかない状態となりますので当然ながら接触する事態となり、整備している停車中やちょっとしたテスト走行程度では何度テストしても問題無いものの、長距離走行で接触している時間が長くなるとキャリパーそのものの温度がローターとの摩擦熱により上昇する事で膨張しバンジョーボルトの受け側である雌ネジも併せて膨張する為バンジョーボルトが緩むと言う推論に達しました。

調べてみると確かに後ろの奥側のキャリパーボディー内側には擦過痕が確認出来、ローターも僅かですが熱により歪んでおり回転させると特定の位置だけブレーキパッドが擦っている事が確認出来ました。

ローターは恐らくもうダメだと思うので近いうちに交換の必要が有りますね、まだ緩む原因がアコモの見立て通りと決まった訳では無いので次回のテスト走行時に少し長めに走って様子を見たいと思います。

改造するのは楽しいですが、こう言う落とし穴も有るので改造した後もしっかりと管理しておかないといけませんね。

多分、別の場所も分解整備していてワッシャーが混ざってしまい見た目の大きさだけに捉われて厚みまで確認していたのが敗因でした、上側はちゃんと1.6mmを入れていたので下側も1.6mm…との思い込みが有ったのでしょうね、再発防止でワッシャーに厚みを記入し接着剤でワッシャーをキャリパーに接着しておく事にします。

又、シールパッキンが熱で変形・劣化している可能性も有るので、テスト走行をした後にキャリパーピストンからフルードの滲みが無いかも確認しておこうと思います。

最後にブレーキフルードのエア抜きをしますが、ここもフルードで侵され白くなっています。

白くなるだけなら良いのですがこの後ボロボロになって割れてくるんですよね、そうなると使い物にならなくなります。

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リザーバータンクの下にはフルードの滴が…ボルト1本外す手間を惜しんで、狭いスペースに無理矢理フルードを流し込んで周りにぶちまけたようです。

こんな事をされるくらいならそれまで通りリヤブレーキを使わず走り続けた方が良かったです、ワイヤーロックもしていたのでボルト脱落の心配も有りませんし…因みにスチール製のボルトは手で回るくらいユルユルになっていました。

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ブレーキラインのエアー抜きをしてリヤブレーキは終了です。

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陽が落ちるまで作業したかったのですが雨が降り始めたため本日はこれで終了、続きはまた次の休日に行いたいと思います。

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