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さよならブルートレイン… [鉄道]

先日、最後のブルートレイン「北斗星」が引退し、日本からブルートレインが消滅してしまいました。(銀色のボディーのカシオペアは来年2月までは走るようです。)

ブルーの美しい車体の中には寝台設備や食堂設備、そして車窓を流れる景色と夢の詰まった車両でした。

その先頭に立つのは機関車、10数両の客車をたった1両で牽引し時速100km/hの高速で走り、時には1000km以上を走る力強さは幼少の心を掴み、鉄道の世界へ誘惑するに十分な物でした。

それと同時にカメラの世界へもデビュー、親に頼み込んでカメラを借りて小遣いでフィルムを購入、深夜から早朝に掛けて走るブルートレインを夢中になって撮影したものです。

当時はフラッシュもなくISO400の高感度フィルムはISO100の2倍の値段と高嶺の花、しかしやってくるのは深夜か早朝ですから光量がどうしても足りません、仕方ないのでシャッター速度が遅くても手ブレしないよう息を止めたりと色々やりました。

一時期離れていた時期も有りましたが99年に復活、時代は国鉄からJRに変わり多種多様な車両たちも登場していました。

カメラシステムも追加し、最盛期には35mmボディー4台(メイン2台+予備機2台)と単焦点レンズ12本にズーム2本、連射は全くしない一発勝負と言うスタイルです。

高画質を追求すべく限りなく単焦点レンズを用い、フィルムも当初はネガでしたがのちにリバーサルフィルムを使用し、現像もプロラボと徹底していました。(プロラボの方が仕上がりが早く安かった為)

この頃になると車や飛行機を使って全国各地へ撮影へ行くようになりました、北海道や甲信越、九州とあらゆる所へ行きました。

これは四国で撮影したもの、撮影したのはAM2時台です。

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画像は当時使用していたメイン機2台、初代コンパクトデジで撮影した物です。

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途中からは更なる高画質を手に入れるべく中判カメラ(6×7)にもデビュー、35mmフィルムを田の字に並べたような大きなサイズで撮影し得たものは半切や全紙に伸ばしても十分耐えられる高画質でした。

この頃から国鉄時代に作られた車両が淘汰される事が多くなり始めました、今まで走っていて当たり前と思っていた車両たちが1つ、また1つと鉄路から消えて行ったのです。

これは6×7で撮影したもの、アスペクト比が異なるのが特徴でフィルムサイズは35mmの35mm×24mmよりも縦方向が長い70mm×55mmです。

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しかしデジタルカメラの急速な普及とその便利さには太刀打ち出来ず、更にメーカーよりメイン機のオーバーホールを受け付けられないと断られたのを機にデジタル一眼へ移行。

AF対応のレンズはしても高く、ズーム2本とテレコン、レンズキャップのような標準レンズだけとしました、当時は高画質の点では中判>デジタル一眼でありメインは中判、サブでデジタル一眼となっていた為です。

しかし技術の進歩は凄く、中判の高画質さえも凌駕したデジタル一眼が登場し始めました、デジタル機に移行してセンサー内のごみ問題に泣かされていた事も有りセルフクリーニング機能が付けば購入しようと思っていた所、まさにそんな機種が登場し、とても高額でしたが購入に踏み切りました。

これでデジタル一眼の手軽さで中判の高画質を凌駕する画像が手に入る…そう思っていた数年後、ブルートレインや客車列車の廃止が相次ぎ、そして遂には関西発のブルートレインが消滅してしまいました。

活動はこの時最盛期を迎え、廃止になる前にカメラに収めておきたいと友人たちと毎月のように遠方へ出掛けては撮影していました。

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しかし廃止してしまうともう二度とその列車は走りません、「撮る物が無くなってくる…」と愚痴をこぼしながらも活動は続けていましたが、それでも鉄道撮影の活動は急速に衰退し遠方への撮影旅行へ行く事も次第になくなりJRへの魅力が半減した事で私鉄に目を向けて今でこそ細々と撮影を続けていますが一時期は撮影の目的を失ったかのようでした。



しかし鉄道撮影で得た撮影技術は、車やバイクの撮影時に生かされているので無駄では無いように思います。

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ただ撮影し続けないとウデが落ちると言う宿命にあるので、今後は撮影機会も少なくなっていきますから撮影技術もだんだんと落ちてくるように思います。

そして飽くなき高画質の追求、同じ時間、同じ労力、同じ費用を使って撮影地に赴き得られる画質はボディーやレンズで差が付く時代、どうせ残すなら最高の高画質で残しておきたい、しかもその列車は今回限りで二度と撮影する事が出来ない…動機はそんな所からのように感じますが、今となっては加減が必要だったと感じます、しかしそれだけ鉄道撮影への思いが強かったと言う事の裏付けかもしれません、ブルートレインが無くなっても鉄道は好きですし、これからも撮影していきたいと思います。

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